【答え】


従軍慰安婦問題は, 天皇の名による侵略戦争を推進した旧日本軍のため, 当時日本が植民地として支配していた朝鮮をはじめとして, 総計20万人にものぼるともいわれる女性を慰安婦として動員したもので, 絶対主義的天皇制のもとでの日本政府と旧日本軍がおこした恥ずべき犯罪行為です



とくに大きな被害をうけた朝鮮の女性たちが提訴したことをきっかけにあらためて社会問題になっていますが, これは, 歴代自民党政府が2000万をこえるアジア諸国民と310万の国民を犠牲にした侵略戦争の責任を, 戦後47年にわたり, はっきりと認めて反省する態度をとってこなかったからです. もともとこの従軍慰安婦は, 当時の政府と旧日本軍が計画し実行したものであったにもかかわらず, 自民党政府は事実を隠し「従軍慰安婦は民間業者が連れ歩いた」などと, 欺瞞的態度をとって責任のがれに終始してきました[*1]



ところが最近, 防衛庁などから当時の政府と旧日本軍の関与を証明する資料が明るみにだされたために, 日本政府はしぶしぶこれを認めざるを得なくなりました



これらの事実があきらかになった現在, 日本政府がこの犯罪行為の責任をとり補償措置をとることは当然です. そのためただちに従軍慰安婦補償問題で, 日本が南北朝鮮政府との間で交渉をはじめるべきです. 日本政府は補償については1965年の「日韓基本条約」と「日韓請求権,経済協力協定」で「完全かつ最終的に決着した」との立場をとっています. しかし「日韓条約」交渉当時には, 従軍慰安婦問題は旧日本軍の関与が明るみにでておらず, 日本政府も旧日本軍の関与を認めていませんでした. あらたな資料によって関与の事実がはっきりした以上, 政府間で再交渉するのは当然です. また補償のための「特別立法」も検討すべきです



日本共産党は, 戦前から朝鮮をはじめすべての植民地の独立を要求し, 侵略戦争に一貫して反対してきた唯一の党として日本政府の責任で従軍慰安婦の補償措置をとることをつよく要求しています




*1:1990/06/06参議院予算委員会での本岡昭次議員(社会党)への政府委員答弁「民間の業者が,そうした方を軍とともに連れて歩いているとか…実態については,私どもとして,調査して結果を出すことは,率直に申しまして出来かねる」琴秉洞『戦場日誌に見る従軍慰安婦極秘資料集』緑蔭書房,1992/07/10 ISBN:4897742080