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日本山妙法寺山主 藤井日逹師が死去


戦後、一貫して原水禁運動の先頭に立ち、世界的な反核平和運動家として知られる日本山妙法寺山主で日本宗教者平和協議会顧問の藤井日逹(ふじいにちだつ)師が9日午前3時9分、肺炎による全身衰弱、心不全のため静岡県熱海市錦が裏山上の日本山妙法寺熱海道場で死去しました。99歳でした(関連記事15面)



通夜は10日午後7時から、密葬は11日午前3時から、いずれも熱海道場でおこなわれます。本葬は5月18日の予定。


1885年(明治18年)に、熊本県阿蘇郡で生まれました。日蓮宗大学(現在の立教大学)を卒業し修行のあと、非暴力の信念に立ってインドなど各地で布教にあたりました


戦後は砂川の米軍基地[拡張]反対運動に参加したのをはじめ、原水爆禁止運動に最初から参加、故大西良慶清水寺貫主らとともに日本宗教者平和協議会設立にも尽力しました


1981年には「軍備撤廃・核兵器廃絶をめざす世界宗教者集会」(東京)を提唱。また、一門の僧は世界各地で、平和行進を展開、藤井師みずからも、車椅子で国連軍縮総会会場前の集会やデモに参加するなど、最後まで旺盛な実践活動を続けました


1979年ネール国際理解賞、1983年スリランカのシャヤワルデネ大統領平和賞を受賞。著書に『西天開教』『わが非暴力』[以上、春秋社]『仏教と世界平和』[日印サルボダヤ交友会]など


昨年1月、風邪をこじらせてから熱海道場で療養、今年に入って肺炎が悪化し、この数日危篤状態でした