(23-5)米軍機の尾翼降る/横浜市/住宅地近くに「どす〜ん」

【写真説明】空からの落とし物--米軍機の尾翼の一部=横浜市旭署で


6日午後5時55分ごろ,横浜市旭区今宿町,会社員長倉正忠さん(47)が自宅にいたところ外で「どかん」という物が落ちたような音がした. 土砂降りだったので二時間ほどたった同午後8時5分ごろ外に出てみたところ家の近くの道路に飛行機の部品らしき物が落ちているのを見つけ神奈川県警旭署に届けた


調べでは,落ちていたのは縦1.7m,横1.6mぐらいのジュラルミン製の翼の一部,重さは約23キロ. 同午後8時半ごろ,防衛施設庁から同署に「飛行機の部品が落ちなかったか」と,問い合わせがあった. この部品には「NO STEP」(乗るな)という意味の英文が書かれていた


防衛施設庁に6日午後10時過ぎ,横浜防衛施設局から入った報告によると,横浜市旭区内の路上に落ちた飛行機の部品は,米海軍厚木基地からパトロールを終わって帰着した米軍の対潜哨戒機P3Cが飛行中に落としたとのパイロットからの報告を同基地内の海上自衛隊厚木航空集団司令部が受けていることがわかった. 尾翼の一部の外板が剥がれて落ちたらしい


現場は7,8年前にできた分譲団地で,飛行機部品が落ちた近くに5,6軒の家があるが,落ちたところはたまたま空き地の前の道路だったため,人家には被害がなかった


現場から約15メートルのところに住む人の話では「車同士がすぐ近くでぶつかったようなものすごい音がした. しかし,すごく雨が降っていたので,落ちてくる音は聞こえなかった」と言っている


朝日新聞1978/04/11