冒頭写真頁

【写真頁i】


廣津和郎氏(名古屋中小企業センターホールにて)


[下半分に]


散文精神について 廣島和郎


それはどんなことがあってもめげずに忍耐強く執念深くみだりに悲観も楽観もせず生き通して行く精神 - それが散文精神だと思います. それは直ぐ得意になったりするようなそんなものであってはならない. 現在のこの国の進み方を見てロマンティズムの夜明けだとせっかちにそれを謳歌して有頂天になって飛び歩くようなそんな風に直ぐ思い上がる精神であってはならない. と同時にこの国の薄暗さを見て直ぐ悲観したり滅入ったりする精神であってもならない. そんなに無暗に音を上げる精神であってはならない……ぢっと我慢して冷静に見なければならないものは決して見のがさずにそして見なければならないものに■怯えたり戦慄したり眼を蔽うたりしないで何処までもそれを見つめながら堪え堪へて生きて行かうという精神であります≪昭和13,14年頃 - 「人民文庫」主催の講演会で講演したものの覚え書きの一部より≫


【写真頁ii】


[上]列車転覆現場のカーヴ,殉職碑とお地蔵さんがひっそりと


[下]最高裁判所 ここで前後合わせて8年間審議が続けられ,私たちのねがいはついに実った