朝日新聞【1954/10/14(8面)千葉版「灯台」】 黙殺された投書


大原一女性


9月12日の本欄[*1]で大原町の忠実霊魂搭施設について回答を求めたのに1ヶ月たつ今日まで何ら処置なくとうとう戸別割が来てしまった. 総額124万円, 割当は税金額で割出したそうで均等割(一年300円)の人で100円の高額です. 勤め人の家庭では1500円ぐらいになっています. こんな多額な寄付が半強制的に徴集されていいものでしょうか


遺族会はじめ婦人会,青年団,消防団などの団体幹部で組織された委員会のようなところで相談されたのだから, 町当局の責任はないというならその委員会にお聞きします


【1】各個人の税額を調査するということは, そういう民間団体としては違法ではありませんか


【2】不漁で財政困難な大原町民-浜の人たち-にとって124万円は高額に過ぎると思いませんか


【3】町民の意向を聞かず成人100円以上の寄付割当とはどういうことでしょう


不明点を一掃しなければ折角の忠実霊魂搭も無意味です. 決まってしまったからと押しつけずに納得の行くような説明をする義務があると思います

*1:紙面では「9月15日の本欄で」となっているが明かな誤植なので「9月12日の本欄で」に訂正した