前田一(北海道炭鉱労務部長)『特殊労務者の労務管理』
山海堂出版部,1943/11/30(初版:5000部)[*1]
【目次】
前編/鮮人(せんじん)
第1章……鮮人移入と官庁の方針
2.鮮人渡航の原因と就労状況
3.労務動員計画と鮮人移入
1.志願募集及縁故募集
2.請負募集
3.業者直接募集
某炭鉱の試み/請負・直接募集条件比較/請負・直接募集の特徴/(附録)労働者募集取締規則
4.過渡的統制募集
申請手続/渡航引率/到着後の措置/募集着手まで
5.本格的統制募集
朝鮮職業紹介令の公布/本令の特徴
6.官斡旋募集
官民協力の具現/朝鮮人内地移入斡旋要綱
7.移入鮮人の計画輸送
第3章……朝鮮人の訓練とその効果
1.訓練の重要性
2.現地訓練[*3]
精神訓練/行動訓練/労務者指導員訓練
3.就労地到着訓練
4.皇民訓練
5.国語訓練
6.作業訓練
7.生活訓練
8.体練
9.就労後の再訓練
10.不良者特別訓練
11.訓練の効果
第4章……作業面に於ける鮮人
1.移動
逃走の原因/逃走防止対策要綱/再契約問題
2.適正配置
3.能率
4.出稼率
5.賃金
第5章…鮮人寄宿舎
1.寄宿舎の観念と構想
2.寄宿舎の設計
(中略)
3.調度品の整備
4.その他の装備
5.従業員の配置
第6章…生活面に於ける鮮人
1.習俗清算すべし
2.冠婚風俗
3.葬祭風俗
4.風俗の相違
第7章…使用体験者は謂ふ
後編/苦人(くーりー)[*4]
第1章……総説
第2章……難民的苦力
第3章……既経験苦力
第4章……農民層の募集苦力
第5章……募集の可能性
第6章……俘捕虜・歸順兵苦力
第7章……苦力群を編成する把頭制度
第8章……苦力の特性
第9章……苦力の就業実情
第10章……苦力移入上の当面問題
第11章……苦力移出と北支当務者の心境
第3章「鮮人の訓練とその効果/精神訓練」より
現地訓練に於いて第一と教ふべき事は皇國臣民たるの自覚を喚起せしめ渡航の心構へを確立せしむることである。
皇國臣民の誓詞[*5]
一.我等ハ皇國臣民ナリ忠誠以テ君國ニ報ゼン
一.我等皇國臣民ハ互ニ信愛協力シ以テ団結ヲ固クセン
一.我等ハ皇國臣民ハ忍苦鍛錬力ヲ養ヒ以テ皇道ヲ宣揚セン
皇國臣民の誓詞朗唱その趣旨を解説して内航渡地の使命の何者たるかを理解せしめ以て出発当初に於ける心構えを確立せしめ置くことが先ず第一の緊要事である
吉田清治『私の戦争犯罪/朝鮮人強制連行』まえがきでは、子供たちへの【皇国臣民の誓詞】強制についてふれている
全斗煥大統領も金大中大統領も少年時代には日本人の神社へ参拝させられて「キュウジョウヨウハイ(宮城遙拝)の最敬礼」をして次の三ヶ条の「皇国臣民の誓詞」の朗唱を強制されていたのである。
一.私共ハ大日本帝国の臣民デアリマス
一.私共ハ心ヲ合ハセテ天皇陛下ニ忠義ヲ尽クシマス
一.私共ハ忍苦鍛錬シテ立派ナ強イ国民トナリマス
