林博史「日本軍『慰安婦』研究の現状と課題」註記(5)を転載


ウェブサイト上で匿名のものも含めて一部に非常にレベルの高い議論あるいは実証的な論考が掲載されている. たとえば, 吉見義明「資料紹介 第35師団司令部「営外施設規定」」(『季刊戦争責任研究』第80号,2013年6月)で紹介されている文書は, ブログid:scopedogで最初に紹介されたものである.

鄭栄桓「日朝国交「正常化」と植民地支配責任」http://kscykscy.exblog.jp/や「歴史修正主義レイシズムを考える」http://nogawam.blogspot.jpのように作成者が分かるものだけでなく,匿名のものとしては「「慰安婦」問題をめぐる報道を再検証する会」http://readingcw.blogspot.jp従軍慰安婦問題を論じる」http://ianhu.g.hatena.ne.jpなどがあげられる. 筆者の場合も,これらの論考に触発されることも少なくない. 学界がこうした研究成果をどう評価するのか,あらためて考えなければならないだろう. なお,ウェブサイト「Fight For Justice」では,中心となる研究者として吉見義明氏や筆者など四人は名前を出しているが,その他の執筆者・協力者は,ねっと右翼などからの攻撃を考慮して明記していない. こうした危惧も今後の課題だろう

【出典】歴史科学協議会編集『歴史評論』2015/8月号(No.784) p.29-40 林博史「日本軍『慰安婦』研究の現状と課題」