不破哲三委員長に聞く/小選挙区も真剣勝負


Q : 小選挙区選挙は,共産党には厳しい戦いになりそうですね


不破 : 得票率を四割台に乗せないと当選は難しいとリアルな判断をしている. ただ,得票率は,短い期間でも増える. 直ぐに議席に結び付かなくても,得票率を高めることが大事だ



Q : 「小選挙区での得票は困難. 比例区に全力を」という方針は,小選挙区軽視ですか


不破 : 党内にも『小選挙区の候補者は,私に票は要りませんから比例区に入れて下さい,と訴えればいい』という意見もあった. だが,小選挙区で真剣に相手候補と切り結ばないで,比例区の票が伸びるわけがない



Q : 今年3月に「新制度では6議席にとどまる」と危機感を煽りながら,11月になって「34議席も可能」と一転したのは何故ですか


不破 : 3月の時点では,まだ『非自民』への幻想がかなりあり,それを乗り越えるだけの展望が開けていなかった. ところが細川内閣が崩壊し,村山内閣になる過程で,自民-非自民,新連立-旧連立の争いがいかに不毛かが明かになった. 秋田県山本町議補選で共産党候補が有権者比得票率65%を得るといったことが,部分的ではあれ,起こり得る



Q : 社会党を離党した護憲グループとの共闘は可能ですか


不破 : これだけ政党が翼賛化すると,消費税反対票などが共産党に流れる条件が生まれると同時に,共産党とは別の受け皿を作ろうという作用が働くだろうが,本当の革新的な流れを担うことは出来ない



Q : 高知市長選で共闘した新党さきがけは,国政レベルでの共闘の対象となりますか


不破 : ならない. 離合集散の中で,さきがけがどういう保守勢力になるか,いまは何とも言えない. ただ,あれっと思ったのは,武村正義代表が国会で国連安全保障理事会常任理事国入りに反対の立場で質問したこと. それぐらいだな



Q : 衆院比例区がブロック制となることで地域開発問題がクローズアップされると強調していますね


不破 : 相手が大規模公共事業を前面に出してくると,過去にはすべて反対という傾向もあった. だが,問題がある道路もあれば,そうでないものもある. 相手が言っていることに全部反対しようとすると,こちらの立場が狂ってくる. 開発を一律に全面否定するのではなく,よく分析して大局的な立場から的確に批判することが必要だ