1971-06-01から1ヶ月間の記事一覧
現代民主主義と歴史学 抵抗権思想を中核とする思想史研究 中村政則 第五の系列は,いわば抵抗権思想を中核に,わが国における民主主義的伝統を一個の思想主体を通して発見し,かつそれを現代に再生させようと試みる研究である. この系列の研究を,「人民闘争史」…
最初に戻る←id:dempax:19710630 [p.43] ところで,家永のこうした姿勢を支える精神的拠点は何なのだろうか. これは先ほどの「正義の観点」ともかかわっている. 家永はかつて,法解釈の「客観的基準として,それが歴史的進歩の方向に向っているか,逆行の方向に向…
最近の日本近代思想史研究の方向は,どちらかというと頂点的思想家の研究よりは,むしろ民衆思想の研究にむかって大きく動きつつあるかに見える. そのため,家永の植木枝盛・美濃部達吉研究のような頂点的思想家の研究に対する興味・関心はしだいに薄れつつある…